タゃ

夏は嫌いだよ

心を崩して

ひとつひとつ言葉にするたび

雫は落ちる

夕暮れの空


君が好き

嘘なの

愛しているわ


騒がしい部屋の隅っこで

いつの日か今日を思い出す記憶


風が見える

木々を精一杯鼓舞している


重力に逆らって舞う雨粒

窓ガラスに打ちつけられては散ってく

バス停は倒れ街路樹は折れ

歩行者なんていない道を走る車の中


.


台風


.